「いそがなくてもいいんだよ」岸田衿子 ~ずっと手元に置いておきたい本~

「いそがなくてもいいんだよ」岸田衿子 ~ずっと手元に置いておきたい本~

このところいつも、断捨離しなくちゃ、と思いながら本棚をながめている私です。

結局いつも、先のばしにしてしまうのですが・・・。

でも、今日ご紹介する本は、何回断捨離しても、ずっと手元に置いておきたい本です。

岸田衿子さんの詩

「いそがなくてもいいんだよ」は、詩人・童話作家の岸田衿子さんの詩集です。ご存知の方も多いと思いますが、岸田衿子さんは女優の岸田今日子さんのお姉さんで、2011年に亡くなられるまでに、たくさんの絵本や詩集を書かれています。

岸田衿子 – Wikipedia

Wikipediaによれば、フジテレビ「世界名作劇場」の「アルプスの少女ハイジ」「フランダースの犬」「あらいぐまラスカル」「赤毛のアン」の主題歌を作詞されたのも、岸田衿子さんだったんですね。

「赤毛のアン」は知っていましたが、他の3つもそうだったとは知りませんでした!

岸田衿子さんの詩を初めて読んだのは、「風にいろをつけたひとだれ」でした。不思議な透明感のある世界だなあと思いました。

「いそがなくてもいいんだよ」は、どういう経緯で買ったのか思い出せないのですが、おそらくまず題名に魅かれたのかなと思います。

「草色の切符を買って」「ソナチネの木」等々、他の詩集の題名も素敵ですよね。

この本の題名になっている詩をご紹介します。

南の絵本        

いそがなくたっていいんだよ
オリイブ畑の 一ぽん一ぽんの
オリイブの木が そう云っている
汽車に乗りおくれたら
ジプシイの横穴に 眠ってもいい
兎にも 馬にもなれなかったので
ろばは村に残って 荷物をはこんでいる
ゆっくり歩いて行けば
明日には間に合わなくても
来世の村に辿りつくだろう
葉書を出し忘れたら 歩いて届けてもいい
走っても 走っても オリイブ畑は
つきないのだから
いそがなくてもいいんだよ
種をまく人のあるく速度で
あるいてゆけばいい

何かをしようと思うのに気持ちばかりあせってしまうとき、「いそがなくてもいいんだよ」というこの言葉を見ると、とても心強い味方を得たような、安心した気持ちになれます。

古矢一穂さんの挿画

詩の間にはさまれている挿絵のページも、素敵です。

小さな花や実の挿絵を描いているのは、植物学者で画家の古矢一穂さん。

岸田さんの詩の世界にぴったりの、繊細で美しい絵です。

こんな絵が描けるようになりたいなあと思います。

愛らしい装幀

この本は、童話屋の詞華集シリーズの一冊です。

ハードカバーの、片手で持てる文庫本サイズ。紙の厚さ、手ざわりも心地よいです。

大切な人へのプレゼントにもいいと思います。

 

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